解決事例32
事故後職場を休業しなかった兼業主婦の家事従事者としての休業損害と入通院慰謝料を合計約60万円増額させた事例
依頼者情報
45歳 女性 吹田市在住
症状名
頚椎捻挫 頚背部痛 胸椎捻挫
事故状況
他人が運転する車に同乗していた際、加害車両に追突され負傷した。
相談に至る経緯
保険会社が示談案を提示してきたが、慰謝料等の金額に納得できなかったため、当事務所に相談に来られた。依頼者の話からすると、通院慰謝料と休業損害が裁判で認められる金額よりも低いと判明したので、当方に依頼された。
結果
依頼者は兼業主婦で、事故後職場は休業していませんでしたが、事故による受傷の影響により、家事に支障が出ていました。
依頼者が当方に相談される前の保険会社の提示額は、入通院慰謝料27万5200円、休業損害12万5400円、合計40万600円でした。
裁判になった場合、入通院慰謝料は裁判所の基準で算定されることになりますが、相手方は裁判所の基準よりも損害賠償額が低くなる保険会社独自の支払基準で入通院慰謝料を算定していました。
また、主婦の休業損害を算定する場合、女性全労働者・全年齢平均の賃金センサスを使用して家事従事者の平均収入を出したうえで、事故による受傷の影響により家事に従事できなかった割合を計算し、損害額を算定します。しかし、相手方は上記の算定方法よりも休業損害の金額が低くなる自賠責保険の基準で算定していました。
そこで当方は、通院慰謝料について裁判所の基準で金額を算定しました。また休業損害についても、依頼者から事故後どれくらい家事に支障がでていたかを具体的に聞き取り、家事従事者としての休業損害を算定しました。
そのうえで、相手方に通院慰謝料45万5200円、休業損害54万1930円を請求し、相手方と交渉の上、請求額を満額認めさせ、99万7130円で合意しました。
解決ポイント
本件のように兼業主婦の方で、かつ事故後職場を休業していなかったとしても、事故の影響により家事に支障が出ていれば、家事従事者としての休業損害が認められる場合があります。
保険会社は、入通院慰謝料や家事従事者としての休業損害を認める場合であっても、本件のように自賠責保険の基準や自社独自の支払基準を使用する等して裁判で認められる金額より極めて低い金額を提示してきます。
本件は、保険会社の示談案に安易に納得せずに弁護士に依頼したおかげで、通院慰謝料と休業損害で合計約60万円増額でき、保険会社の当初の提示額の2倍以上の金額で示談できました。