解決事例35

過失割合の主張を依頼者に不利に変更し続け、最終的に依頼者過失を5割以上だと主張してきた保険会社に対し、相手方の供述の変遷を指摘して相手方の供述が信用できないことを示し、依頼者過失3割で示談を成立させた事例

依頼者情報

43歳 女性 豊中市在住

 

事故状況

信号待ちのため停車中の車列の後方から右路外駐車場に入るため右折しようとしたところ、右後方から依頼者車両を追い越そうとしたバイクと接触した。

相談に至る経緯

相手方は当初「依頼者車両の指示器は見えなかった。」と供述していた。また、相手方バイクが中央線の内側を走行していたとは供述していなかった。相手方保険会社もこれを前提に依頼者の過失を3割としていた。

しかしその後、相手方保険会社は「依頼者車両が指示器を出していなかった。相手方バイクは中央線の内側を走っていた。」などと主張を変え、依頼者の過失を5割と主張してきた。

依頼者は、このように過失割合の主張が変遷する相手方保険会社に不満を感じ、当方に依頼された。

結果

交通事故は実務上いくつかのパターンに類型化されており、どの類型に当てはまる事故かどうかで過失割合が決まる事が多いですが、本件はどの類型にもあてはまらない事故でしたので、事実関係の類似する裁判例等を参考にして過失割合を主張していく必要がありました。

また、依頼者は当初の相手方の主張どおり、依頼者過失3割で示談することを希望していました。

そこで弁護士は、本件と事実関係の類似した過失割合依頼者3:相手方7の裁判例を提示し、依頼者の過失が当該裁判例同様3割だと主張しました。

 これに対し相手方は、本件とは事実関係の類似性が乏しい裁判例を援用したうえで依頼者の過失が5割よりも大きいと主張し、依頼者から聞いていた内容からさらに主張を変えてきました。

弁護士は、相手方の援用する裁判例は本件とは事実関係が大きく異なるため参考にならないことを指摘したうえで、弁護士の援用する裁判例の事実関係が本件に酷似している以上、依頼者の過失は3割であると主張しました。

これに対し相手方は、相手方バイクが中央線の内側を走っていた点及び依頼者車両が指示器を出していなかった点が弁護士の援用する裁判例の事実関係とは異なるとして、依頼者の過失を5割と主張してきました。

弁護士は、相手方の供述の変遷を丁寧に指摘し、相手方の供述は信用できないので依頼者過失3割でなければ示談しないと主張して交渉を続けました。

 交渉の結果、最終的に依頼者過失3割で合意しました。

解決ポイント

本件は、保険会社が事故後過失割合の主張を依頼者に不利に変更してきたという事案でした。

過失割合が争いになる場合、本件のように裁判例等の調査が必要になることも多いので、保険会社と本人が交渉して自分の希望する過失割合を認めさせるのは困難です。

 本件は弁護士に依頼したおかげで、依頼者の希望どおり依頼者過失3割で示談できました。

電話相談無料 06-6873-8111(受付時間9:30〜17:30)

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