解決事例37
左足の骨折等により後遺障害12級の事案で、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料を合計約230万円増額させた事例
依頼者情報
51歳 男性 豊中市在住
症状名
左脛骨遠位端開放骨折、左脛骨偽関節、左脛腓骨骨幹部開放骨折
事故状況
交差点を右折してきた自動車に路上で衝突され、負傷した。
相談に至る経緯
保険会社が示談案を提示してきたが、金額が適正額なのかどうか判断できなかったため、当方に相談に来られた。保険会社の示談案では特に根拠なく入通院慰謝料と後遺障害慰謝料について著しく低い金額が記載されており、裁判で認められる金額よりも低い額であると判明したので、当方に依頼された。
結果
依頼者は左足骨折等が原因で後遺障害12級が認定されていました。
当初の相手方の示談案は入通院慰謝料198万円、後遺障害慰謝料150万円、他の損害と合わせて約1071万円というものでした。
裁判になった場合、入通院慰謝料や後遺障害慰謝料は裁判所の基準で算定されることになります。しかし、相手方は特に根拠なく入通院慰謝料と後遺障害慰謝料について、裁判所の基準で算定した額よりも低い額を提示していました。
なお、後遺障害等級が認定された場合、後遺障害による逸失利益も相手方に請求することができますが、相手方の示談案でも後遺障害による逸失利益については裁判所の基準で算定されていたので、逸失利益について増額請求する必要はありませんでした。
そこで弁護士は、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料を裁判所の基準で算定し直しました。
また、入院待機中の期間及びギプス固定中等安静を要する自宅療養期間は、入院期間に合算して入通院慰謝料が発生することがあります。
依頼者は入院前の自宅療養期間が約5か月間ありましたので、この期間も入院期間に合算して入通院慰謝料を算定し、相手方に請求しました。
これに対し、相手方は、入通院慰謝料と後遺障害慰謝料について、裁判外での示談であるという理由で裁判所の基準で算定した額の80%で計算し、他の損害と合わせて合計1198万円という示談案を提示してきました。
弁護士は「裁判をすれば認められるのであるから、裁判外での示談という理由で本来認められる損害額を減額することに合理性はない。」と主張し、更に交渉を続けました。
これに対し、相手方は裁判所の基準で算定した額の90%で計算し、他の損害と合わせて合計1257万円という示談案を提示してきました。
弁護士は「裁判所の基準で算定した額の90%に減額することにも合理性はない。」と主張し、さらなる増額を求めて交渉を続けました。
これに対し、相手方は最終的に1300万円という示談案を提示してきました。
相手方の示談案は依頼者の自宅療養期間を入院期間に合算することを前提としていましたが、依頼者の自宅療養期間は約5か月と長期間であったため、裁判になった場合、このうち一部の期間しか入院期間に合算されず、その結果、相手方の案よりも入通院慰謝料の金額が低くなる可能性がありました。
また、依頼者も1300万円での示談に納得されたので、最終的に1300万円で合意しました。
解決ポイント
本件のように保険会社は様々な理由をつけて裁判で認められる額よりも低い額を提示してきます。本人が直接保険会社と交渉しても、保険会社はほとんど増額を認めません。
本件は後遺障害12級の事案であり、後遺障害慰謝料と入通院慰謝料だけが争点となる事案でしたが、弁護士に依頼したおかげで約230万円増額できました。