解決事例46
事故から約1か月半という短期間の治療で完治したが、通院中の主婦としての休業損害を含む約43万円の支払義務を相手方保険会社に認めさせ、受任から約1か月半で早期解決した事例
依頼者情報
41歳 女性 吹田市在住
症状名
頚椎捻挫 左肩関節捻挫 末梢神経障害性疼痛
事故状況
信号待ちで停車中、後方から四輪自動車に追突され、負傷した。
相談に至る経緯
相談者は、事故後通院治療して事故による怪我は完治していましたが、通院中の相手方保険会社の担当者の対応が悪かったため、今後の示談交渉をその担当者と自分一人で行うことは困難と判断し、当方に依頼されました。
結果
依頼者は、兼業主婦であり(現実の収入は全女性の平均賃金よりも低い)、事故後1か月半程度で怪我が完治していましたが、通院中は事故による受傷の影響により、家事に支障が出ていました。
兼業主婦であっても、全女性の平均賃金よりも現実の収入が低い場合、事故による受傷の影響で家事に支障が出ていれば、全女性の平均賃金と同程度の収入があると仮定して、家事従事者としての休業損害を請求できます。
そこで弁護士は、依頼者から事故後どれくらい家事に支障がでていたかを具体的に聞き取り、家事従事者としての休業損害を算定しました。
その上で、弁護士は休業損害約14万5000円、通院慰謝料29万2000円を含む合計約44万円を相手方に請求して交渉し、通院慰謝料以外の損害については弁護士の請求額の全額を支払うことを相手方に認めさせました。
また、相手方は、通院慰謝料について、「訴訟前の示談交渉段階なので、大阪地裁の基準で算定した額の0.8倍の約21万5000円と考えるべきである」と主張し、弁護士の請求額からの減額を求めてきました。
相手方の「訴訟前なので0.8倍の金額にする」という主張に合理性があるとは考えられませんでしたので、弁護士は「“訴訟前”というのは通院慰謝料を減額する理由にならない。裁判になれば認められるのであるから、示談交渉段階でも全額支払うべき」と反論し、相手方にこの主張を撤回させました。
ただ、弁護士は大阪地裁の基準で算定した金額よりも高めに通院慰謝料を算定して相手方に請求していましたが、依頼者は大阪在住のため、訴訟提起するとすれば大阪地裁に提起する可能性が高いと考えられました。
そのため、裁判で争っても大阪地裁の基準で算定された通院慰謝料と同程度の金額になる可能性が高いと考えられました。
そこで弁護士は、依頼者と相談した上で、「当方の請求額と大阪地裁の基準で算定した通院慰謝料の金額の中間値である28万円(示談額合計約43万円)」という示談案を相手方に提示して交渉を続け、これを相手方に認めさせました。
依頼者もこの金額に納得されたので、最終的に約43万円で合意しました。
解決のポイント
弁護士が介入していない場合、保険会社は様々な理由をつけて、裁判で認められる金額(裁判基準)よりも極めて低い損害賠償額での示談を求めてきます。
本件では、保険会社が示談案を提示する前に弁護士が入って交渉できましたので、当初から裁判基準を前提とした交渉ができ、受任から約1か月半の短期間で裁判基準を前提とした示談ができました。